artscouncil-tokyo|ポップアップ展示「Art as Catalyst – 創造性を触発するアーティストたち」が12月24日まで開催中
「Art as Catalyst – 創造性を触発するアーティストたち」(2023年)
©Sakura Sueyoshi / Nacása & Partners Inc.
人々のための新しい創造拠点として、2022年に渋谷に誕生した「シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]」は、クリエイティブとテクノロジーで東京をより良い都市に変えることを目指している。今回、CCBTを運営する東京都及び公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京は、オーストリアのリンツ市を拠点に活動する文化機関「アルスエレクトロニカ(Ars Electronica)」と連携。トークセッション、作品展示、ワークショップで構成するポップアップ展示「Art as Catalyst – 創造性を触発するアーティストたち」を開催している。期間は2023年12月24日(日)まで。
クリエイティブ×スタートアップの分野で活躍するキーパーソンのトークセッションでは、アートとイノベーションの関係について考える。イノベーションを加速させるアートの役割とは何なのか、社会のための経済サイクルはどのように創り出せるのか。これからのシビック・クリエイティビティについて探求する。現在開催予定となっているのは、アート×スタートアップ領域の最前線で活躍する、 施井泰平(スタートバーン株式会社)、懸谷直弓(余技アトリエ株式会社)による対談や、理論家のBetti Marenko(トランスディシプリナリー・セオリスト)による「創造性」のレクチャーなど。この他、出展アーティストなど、多彩なゲストを迎えたトークを開催。登壇者や開催日時などの詳細は、公式HPにて。
作品展示では、独自の技術を詰め込んだ斬新な作品を。自身の名を冠したファッションブランド「YUIMA NAKAZATO」を展開するデザイナー・中里唯馬氏は、3次元のテクスチャーを生み出す新しいテキスタイル技術「バイオスモッキング」を公開する。これを用いることで表面に3次元のテクスチャーを作り出すだけでなく、生地自体を自由に変形させることが可能。生地を無駄にすることなく、各個人に合わせた衣服を製造することができる。
Yuima Nakazato『Biosmocking』、「Art as Catalyst – 創造性を触発するアーティストたち」(2023年)
©Sakura Sueyoshi / Nacása & Partners Inc.
また、オランダを拠点とするハイテク・ファッションデザイナーでイノベーターのアヌーク・ヴィプレヒト氏の展示では、スクリーンが埋め込まれた3Dプリントドレスを公開する。先進的な EEG(脳波)センサー「ユニコーン・ヘッ ドバンド」が、ウェアラブルなブレイン・コンピューター・インターフェースとして着用者の脳が無意識に出すシグナルを読み取り、ドレスを動作させる。首飾りから伸びる6枚の円形スクリーンは着用者の心理的負荷を計測するもの。心理的負荷が強まると、スクリーンに映し出される瞳孔が拡張していき、不思議な効果を生み出す。
Anouk Wipprecht『SCREENDRESS』、「Art as Catalyst – 創造性を触発するアーティストたち」(2023年)
©Sakura Sueyoshi / Nacása & Partners Inc.
会期中に開催される2つのワークショップの一つ、「Bridge2040/ブリッジ2040」では、短時間で楽しめるカードゲームを開催した。2040年に生きる多様な登場人物にまつわる物語を作り、語り合うこのゲーム。社会、経済、テクノロジー、都市計画、気候変動、健康などに関するさまざまな変化や疑問、アート作品に向き合う機会となった。
もう一つは、木、紙、布、革、プラスチックなどの墨田区の町工場で使われている素材に自由な発想をかけ合わせ、世界に一つだけのゲーム作りにチャレンジできるワークショップ。アナログゲーム作りを通じて、調査、分析、アイデア出し、試作といった、創作に大切な作業について学ぶ機会を提供する。※プログラムの内容等は変更になる場合あり。
「Art as Catalyst – 創造性を触発するアーティストたち」 会期: 2023年12月15日(金)〜12月24日(日) 会場:SusHi Tech Square 1F Space 住所: 東京都千代田区丸の内3丁目8-3 時間: 平日11:00~21:00(最終入場 20:30)/土休日 10:00~19:00 (最終入場 18:30) 公式サイト:https://ccbtx.jp/