EVENT|木更津市で開催された「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」の会場をレポート
今年9月30日にスタートし、2024年5月まで開催中の「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」。今回は11月5日に現地を訪れた際の会場の様子とともに、音楽・映像・ダンス・光・テクノロジーを融合させたライブアートパフォーマンス「en Live Art Performance」をレポートする。場所は、木更津駅からシャトルバスに約25分揺られた先にある「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」。広大な敷地の中で農業・食・アートを軸に、「おいしさ」や「心地よさ」を提供するオーガニックファームだ。野菜の栽培や動物の放し飼いがされており、未来につながるサステナブルの力を発信している。
「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」とは、市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の5市を舞台に、千葉県誕生150周年記念事業の一環として開催しているイベント。アート、クリエイティブ、テクノロジーの力を融合し、百年後の新しい未来を創っていくための持続可能なプラットフォームとして、誰もが参加できる芸術祭を目指している。
会場に着くとすぐに一面に緑の芝生が広がっているのが見えた。そこには「EN NICHI BA(エンニチバ)」と名付けられたエリアがあり、「百年後も残していきたい食文化を考える」という想いのもと、千葉県内の飲食事業者、加工品業者、農業事業者が展開する屋台が25店舗ほど並んでいた。そこで購入したものを片手に芝生でくつろぎ談笑する人々は、思い思いにその場を楽しんでいるようだった。
EN NICHI BAのある場所から坂を下った先にはライブエリアがあり、夕方から夜にかけてライブアートパフォーマンス「en Live Art Performance」が開催された。オープニングには、総合プロデューサーの小林武史が登壇。この芸術祭のタイトルにちなみ、「過去からの縁、そして未来から僕たちが感知できる縁を繋いで、これから百年後に向かって積み上げていきたい。」と、百年後への想いを言葉にした。
また、「百年後の僕たちの未来はシナリオ通りにはならない。分かりやすい未来はこうだよ、ということではなく、観念的で抽象的なものも含まれているかもしれない。そうやってみんなが思うこと、想像することの積み重ねでしか未来はやってこないと思う。」とも。未来は人と人との繋がりが生み出し、私たち自身が積み上げていくのだということを語りかけた。
パフォーマンスは繊細なピアノ演奏からスタート。無数のドローンを浮かばせた演出は、まるで星のように柔らかな光で夜空に輝きを添え、まさにテクノロジーと自然が調和している瞬間であった。
続くダンスパフォーマンスでは、人気アーティストのミュージックビデオへの出演でも知られるエモーショナルダンサーの高村月が、仮面をつけた姿で舞台に登場。観客のすぐ目の前まで迫るダイナミックな演出を行った。またポールダンサーのKUMIは、宙に浮くバルーンや衣装を上手く使いながらスリリングで美しい表現でその場を魅了し、その場の注目を攫った。
今後も続くこの芸術祭、新たな続報を期待したい。
「百年後芸術祭」
会期:2024年5月26日まで
会場:内房総5市(市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市)の各地
主催:内房総アートフェス実行委員会 市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市
総合プロデューサー:小林武史
アートディレクター:北川フラム
問い合わせ先: 内房総アートフェス実行委員会事務局
TEL:0438-38-6563/FAX: 0438-23-0075
※2024年のイベントスケジュールについては、随時更新・発表予定