tHE GALLERY OMOTESANDO| 泉谷しげるの個展「サイバーパンク展」を5月16日より開催

米原康正がキュレーションをするギャラリー「tHE GALLERY OMOTESANDO」にて、泉谷しげるによる個展「サイバーパンク展」が5月16日(金) から 6月15日(日)の期間で開催される。
今回の個展に併せて初の描き下ろしサイバーパンク漫画「ROLLING THUNDER(ローリングサンダー)も発売となり、期間中の週末には特別イベント 米原康正プロデュース「泉谷しげる×米原康正トーク&ライブ60分」も実施。

キュレーター米原康正より
「かかってこいや」
混沌、暴走、反逆——それは泉谷しげるが半世紀以上にわたってクリエイティブという言葉を武器に体現してきた精神である。
それは実は「漫画家になりたかった音楽家」と自認する泉谷が、70年代から描いてきたサイバーパンクという世界そのものでもある。
テクノロジーが人間性を侵食し、システムが個を抑圧するこの時代に、泉谷のアートが放つ「生の叫び」は、かつてないほど強いリアリティを持つ。
泉谷しげるの絵には、計算された美しさも、なめらかな秩序もない。あるのは、剥き出しの衝動と、壊れかけた世界に対する苛烈なまでの肯定だ。その筆致は、まるで都市の片隅で今にも崩れ落ちそうな鉄骨のように粗く、脆く、しかし確かに生きている。
それはまさに、サイバーパンクのビジョン——華やかな未来像の裏に潜む、人間存在の不安定な美しさ——と響き合う。
今、私たちは再び「未来」という言葉に夢を見られなくなっている。AI、監視社会、気候変動——かつてSFが描いたディストピアは、もはやフィクションではない。
だからこそ、きれいごとではない、泥臭くも激しい「生きる意志」をむき出しにした泉谷しげるの絵画が、私たちに必要なのだ。
サイバーパンクとは、未来を悲観する物語ではない。どんなに崩れた世界でも、なお生き抜こうとする者たちの物語だ。そして泉谷しげるのアートもまた、同じ精神を燃やしている。音楽活動と共通する「暴発する感情」「既成の枠組みへの抵抗」が濃密に込められている。技術に翻弄される時代の中で、「人間」であることをあきらめないために。
今回の個展は、飾るためでも、眺めるためでもない。
生きて、壊れて、叫び続けるための泉谷にとっての戦場なのである。

泉谷しげる 個展 「サイバーパンク展」
会期:2025年5月16日(金)〜6月15日(日)
会場:tHE GALLERY OMOTESANDO
住所:東京都渋谷区神宮前 5-16-13 SIX HARAJUKU TERRACE S棟 2F
時間:12:00〜19:00 ※月・火 休廊
入場料:無料
WEB:https://thegallery-harajuku.com/