MIKA NINAGAWA|蜷川実花が「TOKYO NODE」で過去最大規模となる体験型展覧会を開催。日常にある儚い美を永遠なる存在に昇華。地上200m、100万色の桃源郷へ

MIKA NINAGAWA|蜷川実花のキャリア史上最大規模の挑戦。12月5日より、虎ノ門ヒルズステーションタワーの情報発信拠点「TOKYO NODE」にて開催される「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」の全貌が明らかに。気鋭のデザイナーとの協業も

「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」が「TOKYO NODE」にて開催

2023年10月6日よりオープンした森ビルが運営する虎ノ門ヒルズステーションタワーの情報発信拠点「TOKYO NODE」。その開館記念第二弾として12月5日〜2月25日の期間に写真家、映画監督の蜷川実花が挑む、過去最大の展覧会「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」が開催される。本展のチケットは11月10日よりオンラインにて販売開始。オリジナルグッズ付きの前売りチケットは販売開始日に即ソールドアウトとなっており、再販が検討されるなど、既に話題は広がっている。

「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」展示イメージより

展覧会開催地は、今最も注目を浴びる「TOKYO NODE」。あらゆる垣根を超え、人間の潜在的な創造性を刺激する

グローバルビジネスセンター、虎ノ門ヒルズの情報発信拠点「TOKYO NODE」は、東京におけるビジネスの中心地である虎ノ門に人間のクリエーティビティを刺激するための仕掛けを持ち込むことを意図としている。「NODE」には結節点の意がある。それは世界と日本をつなぎ、人と人をつなぎ、概念や文化といったあらゆる境界線超え、接続点となる場所になるという強いメッセージ性がある。そこではビジネスだけでなく、アート、テクノロジー、エンターテインメントといった現代的な要素が一つに融合する。 ‍

そして、「TOKYO NODE」に集う多様な才能が各々の創造力と熱量を掛け合わせ、次々と「新しさ」を生み出し、発信していく。ウェブサイトには「それは世界中の人々を東京にひきつける磁力となるだろう。ここには、感動がある。熱狂がある。発見がある。人間の可能性を引き出すためのすべてがある」という力強いステートメントで締め括られている。

「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」展示イメージより

本展の主題は蜷川の目を通してみる日常の中にある非日常。

開館記念第二弾として開催されるのが、「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」。

ここで蜷川は、日常の中にある儚い美しさを永遠の存在として昇華する自身の流儀を更に拡張させるというアティチュードを示す。

本展のために撮り下ろされた映像や写真を起点に、研究者や研究者や建築家、音楽家といった異なる分野の才能と共創された計14もの空間作品で構成。立体彫刻や大型インスタレーションなど、これまでのキャリアで構築してきた技法、それはつまり固定概念に捉われず、自由な手法で表現された作品群は互いに連結しており、 暗闇空間から開始するその展示構成は、これまで蜷川が表現してきた色彩鮮やかな印象を一転させ、静かに、ある種語りかけるように見る者の感情を揺さぶる。地上45階、総面積約1,500㎡、天井高さ最高15mに至る「TOKYO NODE GALLERY」の立地や形状といった空間の特性と共鳴させ、窓から見下ろす東京の風景さえもインスタレーションとして作品の一部に取り入れる。それは、訪れるたびに表情の異なるサイトスペシフィックなものとなるだろう。 “地上200mの桃源郷”、“100万色の桃源郷”と呼称は決して大袈裟ではない。

そこを歩む体験は、現代社会で光を見出そうと日常を切り取り続ける彼女の物語をナラティブに追体験させ、現実に根差した内省的な旅に誘う。

「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」展示イメージより

総合クリエーティブ集団EiMの旗揚げ作品

また、この展覧会を契機に蜷川を始め、データサイエンティストの宮田裕章、セットデザイナーのEnzoらで集ったクリエイティブチームEiM(エイム)を結成。プロジェクトごとに多様なチームを編成するよう。これに関してEiMは「アートやクリエーティビティが果たす役割として、旧来の価値を壊すこと、新しい概念と人々を結ぶことがあります。多様なアプローチの中で、私たちが大切にしていることは、日常の中にある一瞬の中から普遍性を見出し、人々を未来とつなぐことです。何気ない日常の景色であったとしても、少し見方を変えるだけで、異なる美しさや情感に出会います。また今回の展示で用いる映像に共通するのが、”日常の延長で撮影された全て現実の景色であること”です。これにより未知なる景色でありながら、懐かしさを感じるような心象風景とつながり、鑑賞体験を結びます。皆さんと体験を共につくる中で、本展が未来へつながる新しい場になることを私たちは願っています」と語っている。

「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」展示イメージより

蜷川実花と気鋭のデザイナーたちの交差

会期中は、様々なイベントを展開する予定で、その中で注目したいのが東京のファッションブランドとのコラボレーション。兼ねてより蜷川はファッションに関しても造詣が深い。自らが構築する美意識として装いは欠かさないことは周知の事実であるが、今回は「エムエーエスユー」「キディル」「テンダーパーソン」「フェティコ」の4ブランドとの協業による特別なアイテムが展開されるという。この協業については追って全貌が明らかになってくるが、弊誌では大々的に特集する。今後の動向に注目したい。

「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」

会期: 2023年12月5日(火)〜2024年2月25日(日) ※年末年始等休館日あり 開館時間: 月・水・木・日曜:10:00~20:00 / 火曜:10:00~17:00 / 金・土・祝前日:10:00~21:00※最終入場は閉館時間の30分前まで ※祝日は10:00~20:00 会場: TOKYO NODE GALLERY A/B/C(東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F) 所要時間: 約60分 主催: TOKYO NODE 協賛: 株式会社ポーラ / TOKIOインカラミ / Roadstead / ガトーフェスタハラダ / nido 協力: 小山登美夫ギャラリー / MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 公式サイト: https://tokyonode.jp/sp/eim/

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