Rick Owens|「リック・オウセンス」の新たなビジュアルブック「MORE RICK OWENS PHOTOGRAPHED BY DANIELLE LEVITT」が10月19日に発売。ダニエル・レヴィットの眼に映るブランドの世界を切り取る
RICK OWENS AND DANIELLE LEVITT, SS23 EDFU WOMENS SHOW BACKSTAGE Photo: DANIELLE LEVITT / OWENSCORP
「リック・オウエンス」は米国、ニューヨークの出版社であるリッツォーリ社よりブランドとして5冊目となる「MORE RICK OWENS PHOTOGRAPHED BY DANIELLE LEVITT」を発売する。本書は、リック・オウエンスのキャリアにおいて、非常に多産で変革的な時期を描き出している。リックはデビュー以降、常に新しい素材、シルエット、ディテールを探究することを通して自身の根幹に宿る観念やその時に彼の琴線に触れた事象をサブジェクトとして実体(服)に描いてきた。世界や社会に対するある種の挑発的な創作はこの本からも存分に堪能できる内容となっているよう。
TYRONE, SS20 TECUATL MENS Photo: DANIELLE LEVITT / OWENSCORP
ADOT, SS22 FOGACHINE WOMENS Photo: DANIELLE LEVITT / OWENSCORP
価値観、身体性、そして美。共感と愛に満ちた共鳴
リックとダニエル・レヴィットが出会ってから10年。初めての仕事は2014年春夏、パリウィメンズ。「VICIOUS」と題したコレクションのランウェイショーのドキュメンタリー写真を依頼したところから始まる。リック自身の価値観の変化や女性性におけるボディイメージ、優雅さや美しさに対する問いかけ、1960年代の人種間の緊張状態をステップルーティンのパフォーマンスで描き出していた。「逆境に直面した時に団結するというアイデアは、すべての人の心に響きます」とリックは語る。そのアイデアとダニエルの作品は共鳴するとリックは直観したそう。「私は彼女が共感と愛に満ちた眼差しを持っていることに気づきました。絆とつながりを求めることは、人生において根源的な衝動のひとつであり、その欲求を大胆な表現で満たそうという試みは、私の熱意を刺激します。ダニエルも同じです」とも。
MICHELE LAMY, FW22 STROBE WOMENS SHOW, BACKSTAGE Photo: DANIELLE LEVITT / OWENSCORP
それから5年の月日が経ち、ブランド創設から25年になり、ダニエルと出会ったのはその中の10年となる。コロナ禍で無観客で行なったベニスのリド島でのランウェイショーの模様もこの本には収められている。このショーはパリでのショーの時のようにセレブリティやプレスを呼ぶのではなく、コレクションの骨組みであるファクトリーチームと一緒にショーを実現させた。それは未曾有の事態でしか感じることができない新鮮さであり、貴重な体験だったようだ。この本に纏わるプレスリリースには、「私たちは皆、不安で不確かな瞬間に、最善を尽くして立ち向かっているのだと感じました。そしてこれらは、私の人生で最も感動的な経験の一部としてあり続けます 」と記されているが、それはダニエルが写真で切り取り続けてきたブランドの本質である。この経験は、この本を発行するにあたり、重要なシーンとなったに違いない。
RICK OWENS STORE TOKYOでは、10月19日より発売開始。