DRIES VAN NOTEN|ラストコレクションは2025年春夏メンズ。自ら育んできた花園という世界観に水という作品群を与える
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長年、ファッションシーンを牽引し、時代に惑わされることなく自らの信念、哲学を洋服に昇華してきた「ドリス ヴァン ノッテン」の創業者、ドリス・ヴァン・ノッテンが2024年6月のパリメンズで発表する2025年春夏メンズを最後に、退任することが発表された。
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個人的な思い入れや噂程度の報せを書き続ける気はない。ラストコレクションが残されている今、本人の意向とこれまで築いてきたレガシーに敬意を示し、発表された声明文の言及だけに留めようと思う。
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A LETTER FROM DRIES
1980年代初頭、アントワープ出身の若者だった私が描いた夢は、ファッションの中に何かを伝える 声をもつことでした。ロンドン、パリ、さらにその先へ私を導いたこの旅を通して、そして数え切れないほどの人々の協力や支えによって、その夢は実現しました。
そしてこれからは、これまで時間を割くことのできなかったすべてのことに焦点を移したいと思ってい ます。
このように6月末をもって退任することをお知らせするのは悲しくもあり、同時に嬉しくもあります。私はこの時に備え、しばらくの間準備をしてきました。そして、新しい世代の才能がブランドに新たなビジョンをもたらす余地を残す時期が来たと感じています。
次の2025年春夏メンズコレクションが、私のドリス ヴァン ノッテンでの現在の役割における最後のショーとなります。
2025年春夏ウィメンズコレクションについては、長年にわたり非常に緊密に協力してきた私のスタ ジオ・チームが制作します。彼らは、必ず素晴らしい仕事をしてくれるでしょう。
今後適切な時期に、ドリス ヴァン ノッテンのメンズとウィメンズのストーリーを引き継ぐデザイナーを発表する予定です。
しかしながら、私は自分がとても大切にしているこのメゾンに引き続き関わることになります。
Marc Puig、Manuel Puig、Jose Manuel Albesa、Ana Triasをはじめ、私たちを信じ続け、さ らに強力な会社の構築に協力してくれたプーチ (Puig)の関係者に感謝します。
また、ファブリックやアクセサリーのサプライヤー、アトリエ、メーカー、インドの刺繍に携わる人々、そ してたくさんの美しいアイディアを実現するために協力してくれたすべての人に感謝の意を表します。
ドリス ヴァン ノッテン・チームの全員にも感謝の気持ちでいっぱいです。この数年間、正確に言えば 38年間、あなたたちは私にショーを開催し、ショップをオープンし、年に4つのコレクションを制作し、ドリス ヴァン ノッテンというブランドを今日の成功に導く機会とエネルギーを与えてくれました。
プーチが私たちのビジネスの一部となって以来、私たちが望むとおりに成長を続けることができました。ビューティーと香水のラインが加わり、アクセサリーを拡張し、eコマースをスタートし、エキサイティングで革新的なショップをオープンしました。このブランドには今、たくさんの花が咲き誇ってい る。庭と同じように、ここに何を植えるかを決めるのはあなたたちです。やがてそれは育ち、ある時が来れば花は咲き続けるのです。