GUCCI|GUCCI PROSPETTIVE 4: ANCORA LONDRA
The Prince Charles Cinema Leicester Place, London, 2015 Photo ©Rob Greig / Courtesy of Gucci
「GUCCI」のクリエイティブ・ディレクター、サバト・デ・サルノの発案のもとにファッションと「GUCCI」のコレクションクを取り巻く表現世界を探求するブックシリーズ『Gucci Prospettive』。第4弾は、対照的かつ多様な世界が共存しながら、 絶え間なくクリエイティブな交流が行われている国際都市であるロンドンに焦点を当てた。あらゆるものを受け入れるオープンなスピリットこそが、ロンドンを選択した理由であることを、デ・サルノは以下のように語っている。「『GUCCI』で私にとって初めてのクルーズコレクションの舞台となる場所を選ぶ時、ロンドンは自然な選択でした。 この街は私に大きな影響を与えてくれました。人生の岐路に立った時、この街は私を歓迎し、耳を傾けてくれました。同じことがグッチオ・グッチにも言えます。彼の物語は、ザ・サヴォイとの魔法のような出会いを果たし、伝説のように語り継がれるものとなりました。」
Olafur Eliasson The Weather Project, from The Unilever Series,Tate Modern, London, 2003 Photo © Johnny Green / PA Images via Getty Images / Courtesy of Gucci
20世紀初頭のザ・サヴォイ ホテルから、「GUCCI」2025年クルーズファッションショーの会場となったテート・モダンのタンクまで、ロンドンと「GUCCI」の道は幾度となく交差してきた。人々とアイデアをつなぐ象徴的な場所であるテート・ モダンは、この街の二面性を体現している。コンクリート打ちっぱなしのタンクに詩情豊かなグリーンを取り込んだ空間は、ショーの完璧な舞台となり、過去と現在をつなぐ絶え間ない対話を生み出しながら、「GUCCI」とロンドンの強い絆をさらに際立たせた。
The Barbican Estate Designed by the firm of architects Chamberlin, Powell and Bon in the 1960s, Central London, 1971 Photo Evening Standard / Hulton Archive via Getty Images / Courtesy of Gucci
『Gucci Prospettive』は今回もContrasto社から出版され、新たな地平を探求するためのプラットフォームを提供。第4弾となる「Ancora Londra」は、クリエイティブスタジオ「A Vibe Called Tech」の創設者であるシャーリーン・プレムペとクリエイティブ・ディレクターのルイス・ダルトン・ギルバートがキュレーションを手がけ、相反する要素が混在するロンドンに、多様なカルチャーが共存するだけでなく、相互の対話が生まれ続けている理由を理解し解き明かすことを試みています。「ロンドンは夢見る人々の街です。思いがけないところからインスピレーションが湧き、偶発的に、時には驚くような形でアイデアに命が吹き込まれます」「ロンドンを東西南北で分けて語ろうとしても、結局はステレオタイプやありきたりなイメージに行き着いてしまいます。この街も、そこで生きる人々も、一言で分類するのは難しいのです。なぜなら、彼らとこの街が本当に体現しているものは、私たちが抱える内なる矛盾の美しさと緊張感だからです」 と、プレムペとギルバートは語っている。
Martin Parr King’s Cross Station, from the series Home and Abroad, London, 1990 Photo © Martin Parr / Magnum Photos / Contrasto / Courtesy of Gucci
Derek Ridgers Julia and Bruce outside Planets, London, 1980 Photo Derek Ridgers / Courtesy of Gucci
プレムペとギルバートは、4つの章DREAM BUILDINGS/PEOPLE WATCHING/WATCHING PEOPLE/ BUILDING DREAMSを通して、空間と個人の結び付きに着目し、その関連性を見事に描き出す。モダニズムの大胆なラインが目を引くバービカン・センターからメイフェアのクラシックなエレガンスに至るまで、ロンドンの建築は深い歴史的ルーツを守りながら、絶えず自己改革を続けてきたことを物語っています。本書で描き出されるロンドンは、予期せぬ着想源となるあらゆる体験の集合です。ここでは、建築とスタイルの 組み合わせにおける対照的な文化が見られ、各ページが新たな発見の機会となっている。
Tate Britain The spiral staircase, London, 2016 Photo Mark Helliwell / Alamy photo / Courtesy of Gucci
本書はロンドンへの賛辞であると同時に、未来への考察でもある。対照的な要素をインスピレーション源として捉え、住む人々、訪れる人々、そして夢見る人々に継続的に影響を与え続けるロンドンという都市の再生力とクリエイティビティを探求している。
『Gucci Prospettive』第4弾の制作にあたって、デ・サルノは、シャーリーン・プレムペとルイス・ダルトン・ギルバートに、故郷に捧げるこの特別なエディションのキュレーションを依頼。
2024年5月にロンドンのテート・モダンで発表された2025年クルーズコレクションのローンチと同時に出版される。11月14日 、ニューボンドストリートの「GUCCI」で出版を祝うイベントが開催され、3階のGucci salonではキュレーターたちとのディスカッションが行われ、その後、1階でのレセプションにゲストが集った。また、過日には新たなアートコレクションが展示され、そこには 『Gucci Prospettive 4: Ancora Londra』に登場しているRachel Whiteread、Cerith Wyn Evans、Bob and Roberta Smith、Corbin Shaw、Remi Ajani、Sonia BoyceやSunil Guptaといったアーティストたちの作品も含まれている。
Photo: Courtesy of Gucci