JW Anderson|FW23-24キャンペーン。デヴィッド・シムズのレンズを通して見るベイカー。まっさらな状態の背後にある、実直で大胆な所作
Photo: David Sims
ジョナサン・アンダーソンが手掛ける「ジェイ ダブリュー アンダーソン」は、2023-24年秋冬のキャンペーンビジュアルを公開した。ミラノメンズファッションウイーク会期中にランウェイショー形式で発表したこのシーズンは、ジョナサンにとってシグネチャーブランドの中核としてきた創作における一つの定義に触手。それはつまり、社会的な規範によって生まれたユニフォームの概念に纏わる極めて恣意的な性質を帯びている。原点に回帰することは、まっさらな状態で在るということに繋がる。
Photo: David Sims
米国の写真家、デヴィッド・シムズが手掛けた本ビジュアルのモデルにはイギリスのミュージシャン、ベイカーを起用。ロンドン北部カムデン・ロンドン特別区にあるハムステッドで生まれたベイカーはこの地域で育ち、自らの創作と向き合っている。故ヴァージル・アブローがアーチスティックディレクターを担っていた「ルイ・ヴィトン」メンズでモデルとしても登場したことがあり、クリエーティブマインドを持つ共同制作者も周囲に多いベイカーは、あらゆるジャンルを飛び越え、SNSにあまり関心を注がないにも拘らず、そこで独自の熱狂を生むモダンなアーチストである。ブランド哲学の本質を再見する創作を支える親密さや家庭性の持つ温もりを気ままに表現した様子が切り取られている。
Photo: David Sims
2023年秋冬メンズ並びに2023年プレフォールウィメンズでは「ウェリペッツ」との協業に焦点を当てられた。「ウェリペッツ」は、フロッグ(カエル)型のウェリントンレインブーツで名を馳せたブランド。それは、ダイアナ妃が自身の子どもたちに履かせたことでも有名で、あらゆるタブロイド紙のページを飾ったことで話題となり、イギリス全土の子どもたちが履くようになった。幼い頃の楽しい記憶を呼び起こすフロッグサンダルは、メンズ、ウィメンズともに、グリーン、イエロー、ブルーの3色展開。4月より「ウェリペッツと「ジェイ ダブリュー アンダーソン」で発売される予定。