VALENTINO|物語に潜む美という意識と言語に作り手固有のイディオムを交差させる。

VALENTINO|メゾンの新たなる幕開け。新クリエイティブ ディレクターはアレッサンドロ・ミケーレに

Photo: Courtesy of VALENTINO

ミラノ時間、3月28日。「ヴァレンティノ」は、2024年4月2日付でアレッサンドロ・ミケーレを新たなクリエイティブ ディレクターとしてメゾンに迎え入れることを発表。

アレッサンドロ・ミケーレは1972年ローマ生まれ。ローマのAccademia di Costume e di Modaにて衣裳デザインを学んだ後、伊レ・コパン社に入社。1990年代後半フェンディ社に移籍。2002年トム・フォード(当時の「グッチ」のクリエイティブ ディレクター)に見出され「グッチ」のデザインオフィスに入社。2011年5月、当時のクリエーティブディレクター、フリーダ・ジャンニーニに次ぐアソシエイト クリエイティブ ディレクターに昇格。2015年1月「グッチ」のクリエイティブ ディレクターに就任。2017年よりウィメンズとメンズのショーを統合。新作発表を年2回に集約する。2021年4月、創業100年の節目を飾る「アリア」コレクションを発表。2022年11月23日(現地時間)、親会社ケリング社は「グッチ」のクリエイティブ ディレクターを7年間務めたミケーレの退任を発表した。

この発表の前週にピエールパオロ・ピッチョーリの退任を報告したばかりであるが、メゾンの新たなる船出を発表することとなった。届いたノートには「アレッサンドロ・ミケーレのユニークな視点と豊富な経験を通じて、ブランドの唯一無二の価値、その伝統、クチュールコードを世界に輝かせ続ける、新たな創造性に向けた旅の始まりを意味します」と書かれている。2025年春夏メンズと2024-25年クチュールをスキップし、9月の2025年春夏パリウィメンズファッションウイーク期間中にミケーレ体制としては初のコレクションを発表する。

ミケーレのコメントは以下となっている。

「メゾン ヴァレンティノに迎えていただき大変光栄です。独特のエレガンス、洗練、そして極上の優美さを堪え、美という言葉が物語に刻まれたクチュールメゾンの一員となることに、計り知れないよろこびと大きな責任を感じています。

私の思いは、このメゾンの歴史へとまず向かいます。その文化的、象徴的遺産の豊かさ、それが絶え間なく生み出す驚きの感覚、そして創業者であるヴァレンティノ・カラヴァーニとジャンカルロ・ジャンメッティがとっておきの愛情を込めて形作った非常に貴重なアイデンティティについてです。私にとってこれらは常に参考となってきた。欠かすことができないインスピレーションの源であり、私自身の解釈とクリエイティブビジョンを通じて、これらが残す影響を称賛するつもりです。

もちろん、このかけがえのない機会を与えてくださったラシッド・モハメド・ラシッド氏には心から感謝を伝えたいと思います。彼の信頼は魂の贈り物であり、私は自分の仕事と全精力を傾けてその期待に応える所存です。

ヤコボ・ヴェントゥリーニには感謝してもしきれません。彼とまた仕事ができることは、すばらしい夢が実現したようです。ヴェントゥリーニ氏は非凡なプロフェッショナルであるだけではなく、現実主義と戦略的ビジョン、能力と感性を兼ね備えているうえ、情熱と思いやりを通して、毎日人生と恋に落ちることを謳歌できる人なのです。

今日、私はそのよろこびを称え、尊重し、私が感じたことを本当に伝えられる言葉を探しています。胸から蹴り出されるような微笑み、目を輝かせる感謝にあふれる至福、必要性と美が手を伸ばして出会う貴重な瞬間。これらを言葉で伝えたいと思っています。とはいえ、よろこびは生きているものですので、あえてその名を口にすれば、傷ついてしまうのではないかという恐れもあります。

私のお辞儀と、大きく開かれた両腕が、言葉にならない気持ちを表し、この早春に生命の再生と新しい開花の約束を迎える挨拶となりますように。」

「ヴァレンティノ」クリエイティブ ディレクター

アレッサンドロ・ミケーレ

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