百年後芸術祭-内房総アートフェス-|「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」が9月30日より開幕。⼩林武史率いるクリエイター集団「Butterfly Studio」が初公演

百年後芸術祭-内房総アートフェス-|千葉県誕生150周年を記念事業「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」にて豪華クリエイターが揃う「Butterfly Studio」が初パフォーマンス

千葉県誕生150周年記念事業の一環として、内房総5市(市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市)が連携し、官民協同による初の試みとして、アート、クリエイティブ、テクノロジーを融合した、百年後の新しい未来を創っていくための持続可能なプラットフォームとしての芸術祭「千葉県誕⽣150 周年記念事業 百年後芸術祭 〜環境と欲望〜 内房総アートフェス」(略称:「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」)が9月30日より開幕。オープニングでは、この芸術祭の総合プロデューサー小林武史が率いるクリエイター集団「Butterfly Studio」が手がける「En Live Art Performance」がお披露目された。9月30日は、上総いちはら国府祭りが4年ぶりに開催されたとあって、多くの来場者を集める中でのパフォーマンスとなった。

パフォーマンスの直前に開催された開会式で小林は、「僕の中では特に(百年後芸術祭という)タイトルは決めていなかった。今の時代、どういう未来になるかわからない。僕ら人間の世界が好き勝手にやってきた結果が今。大丈夫、という安堵が飽和状態となって続いている中で、立ち止まって考えなくてはならない。「Butterfly Studio」として今日その先陣を切りたいと思います。100年後は3世代後と踏まえると、そう遠くない未来ではないでしょうか。市原市という千葉県の内房の中では中心地ともいえるこの場所で、しかも特別な空間ではなく、日常の中でパフォーマンスすることに意味があると思っています。」と語る。

この時は誰しもが開催まで辿り着いた安堵や笑み、祝福のムードの中で語りかけていた。しかしパフォーマンスが始まると、固有の緊張感とこの世界で起きていることを自分事として捉えなければならない、と警鐘を鳴らすかのように鋭い閃光を焚くかのようでもあった。

音楽やダンス、光、ドローンなどを融合させたステージ。小林武史(音楽)、大木秀晃(言葉)、向井紀久夫(舞台演出)、高村月(ダンス)、KUMI(ダンス)、名和晃平(彫刻)、種田陽平(舞台美術)、柿本ケンサク(映像)、ひびのこづえ(衣装)、平本知樹(ドローン演出)、佐々木孔明(ドローンショー)、竹川潤一(技術プロデュース)、新井洸馬(プロジェクトマネージャー)という豪華クリエイターが集結した「Butterfly Studio」は発表されてからどのような世界観が披露されるか、注目されていた。

19時45分を過ぎた頃、辺りが暗転すると蛍光に怪しく光る彫刻。ナラティブな問いかけに概要を聞かされていない聴衆は息を飲む。過去と未来が描かれる2部構成の過去篇が始まると怪しげな集団映像と美しい音色、そして緻密な技術と花火のような躍動感溢れる500台のドローンは夜空を鮮やかに彩る。

ステージ上はコンテンポラリー調のダンスとダンサーの高村とKUMIの動きに合わせて舞う煌びやかなコスチューム。呆気にとられる者もいれば、美しい融合に見惚れる者、何が起きているのかわからず困惑する子供たち。この人々の多様な表情こそ、小林が予見する未来であり、そのために誰しもが立ち止まる瞬間だったのかもしれない。

「僕ら「Butterfly Studio」は決してわかりやすさやキャッチーさに寄り添ったことをするつもりはありません。それもコンセプトの一つとしているからです。どのように次の世代にバトンを渡せば良いか、まだ僕らも明確になっているわけではありません。ただ、今自分ができる問いかけをしていきたいと思っています」。

確かに小林のいうように、キャッチーさとは対極にあり、時に不気味さを感じさせ、この世界が抑圧や便利化されるにつれて、自分たちを苦しめていると捉えることもできる。ただ、最後は明るい未来を信じたいという気持ちが再度現れたドローンのダイナミックな演出では全面に押し出されており、それに呼応するように小林が奏でる音色も力強く感じさせていた。

次回の「en Live Art Performance」は10月21日、木更津市にて開催。岩井俊二監督作、「スワロウテイル」の劇中に登場する「イェン・タウン・バンド」のChara、同じく岩井監督との2作目「リリイ・シュシュのすべて」でリリイ・シュシュを務めたSalyu、そして10月13日に公開される3作目の音楽映画「キリエのうた」の主演、キリエを務めたのアイナ・ジ・エンドが参加する予定となっている。

百年後芸術祭 会期: イベント・パフォーマンス期間 9⽉30⽇〜2024年5⽉5⽇ アート作品展⽰期間 2024年3⽉23⽇〜5⽉26⽇ ※原則、⽕・⽔曜⽇は休場(4⽉30⽇、5⽉1⽇を除く) 会場: 内房総5市(市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市)の各地 主催:内房総アートフェス実行委員会、名誉実行委員長: 千葉県知事 実行委員長: 小林武史、市原市長、木更津市長、君津市長、袖ケ浦市長、富津市 総合プロデューサー: 小林武史 アートディレクター: 北川フラム 問い合わせ先: 内房総アートフェス実行委員会事務局 TEL: 0438-38-6563/FAX: 0438-23-0075 ※2024年の君津市、袖ケ浦市、富津市でのイベントスケジュールについては、随時更新・発表予定

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