LOEWE|クラフトと寄り添い、アートや自然と調和するカサロエベ表参道。日本展開50周年を祝し、スナ・フジタとのホリデーコレクションも発売
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11月11日、カサロエベ表参道がリニューアルオープン。この表参道店は、2004年に建設され、「ロエベ」のクリエーティブ・ディレクターであるジョナサン・アンダーソンが就任後、初めてデザインし、世界各国の店舗をアート作品の蒐集家の邸宅を想起させる「カサロエベ」というコンセプトの原型となった店舗。
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約10年の時を経て、カサロエベのコンセプト、主題といったサブジェクトは自然や有機性、原風景といったオブジェクティブに生まれ変わっている。また、日本展開50周年を祝し、「ロエベ」のDNAともいえるクラフツマンシップに敬意を評したホリデーコレクションでは、京都の陶芸制作ユニットであるスナ・フジタと協業。更に、コレクションでは、ウィメンズ、メンズ共に重心の高いシェイプと誇張された構造というユーモアであり、遊びが存分に表現されており、大胆な配色のアーガイルニットなど日常に根差したアイテムも 揃えている。2024年春夏プレコレクションは、11月11日に新装オープンしたカサロエベ表参道にて世界先行で発売。その他の店舗、オンラインでの発売は11月16日からとなっている。
Anthea Hamilton 「Giant Pumpkin No.7」(2022)Photo: ©︎LOEWE
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TSUBAKI 「OYAMA: Hanging Pool」
店舗の内装は「ロエベ」の私的な空間まさに「CASA(スペイン語で家の意)」であることを示すかのようにアートと自然の有機的な調和を図っている。カサロエベ表参道では、ヤン・へギュ、セドリック・モリス、パブロ・ピカソといった国際的なアーチストから、四代田辺竹雲斎といった日本人のアーチストまで多彩な作風の作品を展示。これらのアートピースは熟考の末に選定され、目に触れる人々の知覚や思考を誘発させるような配置となっている。そのような無意識に身体に自らの流儀を浸透させる些細な仕掛けも「ロエベ」の妙味であろう。また2階で一際存在感を放つ英国のアートスト、アンセア・ハミルトンの巨大なカボチャを模した作品「Giant Pumpkin No.7」(2022)は、アントワープ現代美術館にて開催された彼女の個展「Mash Up」にて発表された後、「ロエベ」2022-23年秋冬ウィメンズコレクションのランウェイショーにて演出の一部として設置された。
他方、表参道という都会の中心地における自然との関わりについても思慮深く感じさせる。その象徴として、宮原圭史と山下郁子によるボタニカルアレンジメントユニット、TSUBAKIよる「OYAMA: Hanging Pool」が設置されている。また、2階のガラス窓からは表参道の象徴でもある欅の木々を覗かせ、都会の中で微かに、壮大にアートと自然を
感じさせる、というある種矛盾した感情を掻き立てる。見る者に秩序とは反対の、それは無秩序や混沌ではない、一種のエラーを与え、物質を見るその眼はただ見るだけではなく、そこから何を感じ、考えるかを誘発させるジョナサンの創作の本流の一部を感じさせる。
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「ロエベ リクラフト」風景より
「「ロエベ」はその言葉が持つ純粋な意味でのクラフトを追求しています。そこにこそ私たちの考えるモダニティがあり、クラフトは常に私たちと繋がっているのです」とジョナサンが語るように、「ロエベ」にとってクラフツマンシップは中核であり、浮遊する細胞であり、そして精神そのもの。精緻な手仕事もその内の一つであり、それは作品群の着想の一部となることも多々ある。カサロエベ表参道でも、英国の陶芸家であるルーシー・リーやバーナード・リーチの器が装飾されている。また、現代クラフトの重要性を説き、称え、それに流れる時間を未来に繋げようとする国際的な公募賞「ロエベ財団クラフトプライズ」では、世界中のアーチストや職人たちをサポート。店内では、そのファイナリストとなった四代田辺竹雲斎やミョンテク・ジュンらの作品が展示されている。
一方で、再生、再考、再創造といったリクラフトも精神の一部に宿している。店舗の地下にあるレザーの修理、補修を専門とする「ロエベ リクラフト」は、選りすぐりの職人たちが時を重ねたレザークラフトに新たな命を吹き込んでいる。
春と夏と秋と冬。その狭間は季節の変わり目、移ろいを肌で感じることができる特別な季節ともいえるし、その変化はある意味で風変わりな魔法と捉えることもできる。今年のホリデーコレクションでは、京都を拠点とする陶芸制作ユニット、スナ・フジタと共作により、季節の煌めき、キャラクターたちの愛らしい賑わい、そして心踊るポップな色彩と様相が表現されている。制作された短編ドキュメンタリー映像の中で、自然の風景と動物たちが作品の着想源と明かすスナ・フジタの藤田匠平と山野千里は、想像力や子どもの頃の思い出、幼少期の記憶、息子や飼い犬との暮らしを題材に、ティーポットやカップ、皿などの陶器に物語を描いており、その自然の赴くありのままの姿もジョナサンの創作の流儀と重なる。2024年春夏では、彼らのユニークなキャラクターたちが、ニットウェア、ジャージー、デニム、シグネチャーバッグ、スリッパ、ウォレット、アクセサリーに宿っている。また、LOEWE x Suna Fujitaの中で、スナ・フジタのクマのキャラクターをモチーフにしたスペシャルシリーズは日本限定販売となっており、11月11日から12月26日(木~日・祝日のみ営業)まで、カサロエベ表参道に隣接する旧ロエベ表参道仮設店にて「ロエベ×スナ・フジタ」の期間限定ストア、「LOEWE x Suna Fujita キャンディショップ」も開店。スナ・フジタとの協業の世界観は見る者を明るくさせる楽し気な空間となっている。
LOEWE x Suna Fujitaより
LOEWE x Suna Fujita CANDY SHOPより
伝統と革新、自然と人口、物質と非物質、具像と抽象の均衡があらゆる媒体を介して探求されているカサロエベ表参道。アートが見据える自然。植物作品と彫刻作品、抽象的な絵画とポップな動植物たちの出会い。これらはジョナサンと「ロエベ」の凝視された交差点を拡張させ、空間に変換される。それと日本の間の美学や侘寂といった奥底に眠る意識といった精神性の接続は文化的な対話とも解釈することができるのではないだろうか。
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カサロエベ表参道ウェブサイト: http://loewe.cm/Omotesando LOEWE x Suna Fujita LINEスタンプ: http://loewe.cm/LINEstamp カサロエベ表参道: 東京都港区北青山3-5-29 11:00 – 20:00 LOEWE x Suna Fujita キャンディショップ: 東京都港区北青山3-5-27 AOKI 表参道ビル1階 11月11日 – 12月26日(木~日・祝日のみ営業)11:00 – 20:00 *キャッシュレス決済のみ対応 *商品はいずれも数量限定販売