TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.|Takahiro Miyashita has announce he is leaving his label,TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.

Photo: Toru Kitahara / Courtesy of TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.
「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」の宮下貴裕が自身のレーベルから脱退することを発表。キャリアを通して宮下はユースの鬱屈や争いの精神、そして装いとは?という疑問を創作に凝縮してきた。その内省的な継続は、いつしか宮下を日本のメンズウエアの歴史に欠かせない作り手にさせた。作品の中心には総合芸術的な音楽を据えていて、その愛情を情念、流儀で伝えてきた。現在、今後を明かすことはしていないが、歴史を一歩前に進めるような創作を今後も期待したい。宮下からの全文は以下となっている。
2010 年、私 宮下貴裕は TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.を創設しました。
そこには、「個人的でありながら、職人的なブランドを築きたい」という揺るぎない信念がありました。
“ただ良い洋服をつくる”という純粋な想いのもと、私が生み出すすべてのピースは、まるで音楽の一音一音のようであり、選び抜かれた素材と卓越したテーラリングによって、精緻に仕立てられました。
そのコレクションは、歓びとともに受け入れられました。これこそが、TheSoloist.です。
そして、15 年という歳月を経て、ひとつの交響曲のような物語に、幕を下ろす時が訪れました。
私と、私が創設したこのブランドは、それぞれが新たな道を歩む決断をいたしました。
互いに対する感謝の気持ちを胸に、静かに、しかし確かな一歩を踏み出します。
この決断には寂しさや哀愁が伴いますが、現代において、すべての人にとっての“創造的な再出発”は極めて特別で、かけがえのないものだと私は信じています。
2025 年秋冬コレクション「THE BLACK -AND- WHITE REALISM」は、私にとっての“コーダ(終章)”であり、TheSoloist.での最後のコレクションとなります。
本コレクションは、世界各国のパートナーの皆さまへお届けする予定です。
私も、私の体内に光る道標を大切にしながら、次なる章へと進んでまいります。
引き続きご期待いただけますと幸いです。
これまでのご支援に、心より感謝申し上げます。
宮下 貴裕