Jean Paul Gaultier|映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』が公開

Jean Paul Gaultier|映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』が公開。半生を描いたミュージカルの舞台裏に迫る。稀代のクチュリエの創作人生を体現する物語の1ページ

Photo: © CANAL+ / CAPA

突飛、奇天烈、幻想。1980年以降、世界中を席巻したクチュリエ、ジャンポール・ゴルチエ。ファッションシーンで旋風を巻き起こしてきたゴルチエ自らが企画、脚本、演出を手掛けたミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」は、2018年のパリ公演を皮切りに、今年5月から6月にかけて日本公演も開催され、全世界で35万人を動員した公演。そんな熱狂のステージの裏側に2年間もの間、密着して作られたドキュメンタリーが本作。自身のコレクションと2足の草鞋を履いて創り上げるショーの舞台裏はトラブルの連続。衣装合わせ、初のリハーサル、ダンサーの故障、演出トラブルなどアクシデントに見舞われるゴルチエとそのチーム。制作が進むにつれて明かされるゴルチエの創作の根源。愛するテディベアや親愛なるマリーおばあちゃん、唯一無二の恋人フランシス、1976年初のファッションショーの評価。また、マドンナ、ロッシ・デ・パルマ、カトリーヌ・ドヌーヴらゴルチエのミューズも出演。1970年代から80年代を彩った豪華絢爛なオートクチュールデザイナーが見せる仕事への至極の拘りが詰まった制作の背景を浮き彫りにしている。

Photo: © CANAL+ / CAPA

夢という一閃が現実という狭き門を潜り抜けた先に見た常套句

解禁された予告編では、「子どもの頃の夢はショー(を創り上げること)だった。夢を叶える時がきた」というゴルチエのセリフから始まる。煌びやかなショーの世界に憧れた少年は、やがて世界中に名が知れ渡るファッションデザイナーとなり、そのキャリアの集大成として自らの人生を舞台化することになった。実際にパリコレクションで飾ったオートクチュールを纏うダンサーたちの姿や、本番に至るまでの壮絶なレッスン、ゴルチエのデザイン画を基軸に繊細かつ緻密にドレスを創り上げていく衣装スタッフ、本番直前まで修正を重ね、一切の妥協を許さないゴルチエの姿など、ステージの裏側で渦巻く創造の喧騒が映し出されていく。

Photo: © CANAL+ / CAPA

また、本作はミュージカルで表現されたゴルチエの半生が、本人の口から改めて語られる貴重な映像資料でもある。「ファッション・フリーク・ショー」を未見者でも、彼の比類なきクリエーティビティーとアティチュード、そして周囲を気遣うヒューマニティーを知ることができる構成となっている。「ゴルチエ」の名を耳したことがある者は必見となっている。併せて解禁されたポスタービジュアルは、「ゴルチエの本当の物語を知りたい?」というフレーズに加え、彼の代名詞ともいうべきマリンボーダーが印象に残る。ゴルチエを囲むように散りばめられているのは、彼の人生を彩ってきたアイテムや人物。まさに、ゴルチエの人生を体現するかのようなビジュアルとなっている。

『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』は9月29日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、新宿シネマカリテほか全国公開。

配給:キノフィルムズ 出演:ジャンポール・ゴルチエ、マドンナ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ロッシ・デ・パルマ、ナイル・ロジャース、マリオン・コティヤール 監督:ヤン・レノレ

 2018 / フランス / フランス語・英語・スペイン語 / 96分 / カラー / 5.1ch / シネスコ / 原題:Jean Paul Gaultier: Freak & Chic / 字幕翻訳:宮坂愛 / 映倫区分:G © CANAL+ / CAPA 2018

提供:木下グループ配給:キノフィルムズ

公式HP: https://gaultier-movie.jp/

公式Twitter:https://twitter.com/gaultier_movie

>QUOTATION FASHION ISSUE vol.39

QUOTATION FASHION ISSUE vol.39

The Review:
SS 2024 WOMENS / MENS
PARIS MILAN LONDON NY TOKYO
COLLECTION

無垢な想像力が空洞化寸前の
消費型コレクションサーキットを扶く

The interview
観たい、訊きたい、知りたい
現代のミステリオーソたち

Gianluca Cantaro
PROTOTYPES
Ludovic de Saint Sernin

CTR IMG